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過去作品について①/幻影 ”Optical Illusion(Empty_1)”2018


重力に対して堅牢に立つことを意識した人体彫刻の名作は数多く存在するが、特筆すべきものに、ギリシャ・クラシック期の彫刻が挙げられる。その自然の摂理から発展した造形は、理想の人体像を表し、具象彫刻の完成形の一つに位置付けられる。私は、自分の作品の新たな展開を求めて、2018年にこの造形から生命感や現実感などを取り除く試みをした。それは、私にとっての今日の時代に共感するリアリティーとは、ギリシャ彫刻で示された確固たる存在よりも、年月や環境によって変貌していく不安定さや、その移り変わる過程のなかにあったからである。この試行は、私の求める人物像を《幻影》のような存在にし、彫刻に「Empty(空無)」を出現させた。










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