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現在の制作状況 ②/乾燥初期での試み


作品原型から取った石膏型に陶芸用粘土を張り込んだ後は、石膏型を外して作品を乾燥させていく。私はこの乾燥時期にも積極的に手を加える。そして、その期間を出来るだけ長く取る為に、作品をビニールで覆いながら時間をかけて乾燥させていく。それは、等身程度のサイズの作品であれば二ヶ月以上かけることも多々あり、私の制作期間の多くを占めることとなる。


型を外した直後は、素材が焼き物用粘土に変化してから初めて作品を見ることになるので、原型制作とは異なる視点で、これまでの表現を振り返ることができる。私は、各制作工程で新たに感じたことを積極的に作品に取り入れたいので、この時間は貴重である。


私の制作内容は、粘土の硬さが変わるのと共に変化していく。この乾燥初期の段階では、まだ粘土は柔らかいので、大胆に造形を加えることができる。細部のディテールについては、ある程度乾燥が進んだ後でも行うことができるので、ここでは構成的な要素を中心に修正を加えていくようにしている。それは、瞬間的な判断を迫られるし、粘土が崩れ易い時期なので緊張感を伴う時間でもある。


今回の作品では、伸ばした腕の角度をこの乾燥初期の段階で大きく変更した。他にも、手首や足の角度にも調整を加えている。この作品は、構成的に横へ広がる動きが必要で、同時にそれを受け止める要素も欲しい。空に浮かぶ雲が、伸びやかに広がっていく風景を、この人物像に投影している。












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