窯出ししてからは、パーツに分けて焼成したものを組み立てたり、カービングで制作を行なったりしていたが、これ以上は手を加えても良くならないと感じたので、彩色の工程に進むことにした。
藝大に在籍していた時は大学に大きな窯があったので、大きなサイズの作品でもカットせずに制作をすることができた。それは、組み立ての作業を省略したり、作品の全体感を把握しながら制作し易いという利点があった。現在は窯のサイズに合わせてパーツに分けなければならないが、様々な粘土を組み合わせたり、より自由なポーズの人体を作ることができる。
今回の作品は空間に身を投げ出しているような印象のポーズを制作している。一見、滑稽に見えたり不自然にも感じるポーズを通して、私の思う人間像を表現したい。それは、見る人の感想を限定するものではない。現実と非現実、シリアスとユーモラスの境目を探っている。ポーズの不自然さが、表現においてはリアリティーになり得るのか、という問いかけをこの作品でしている。
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