top of page

現在の制作状況 ⑥/焼成後の制作


作品の焼成が終わった。私の場合は焼成による割れを防ぐために、通常よりも時間をかけて温度を上げていく。そのため焼成期間は長いが、その間に作品について客観的に振り返ることができる。窯出しすると同時に作品が完成する作家も多いが、私の場合はここから更に手を加えていくので、この冷静になれる時間は必要だと感じている。


焼き上がりに満足を覚えるということはあまりなく、むしろ焼成前の脆い質感の方が気に入っている場合も多い。今回の作品は、窯の制約上、パーツに分けて焼成したので、先ずは石材用ボンドで接着して一体にするところから始める。その後は、全体の印象を確認しながら更に砥石やヤスリなどで削りながら形を追っていく。焼くことで粘土は石材同様の耐久性のある素材に変わるので、焼成前にはなかった抵抗感が造形に変化をもたらす。


私は、硬質な陶器の肌合いよりも素焼きのもつ柔らかい質感を好むため、本焼き(1200~1250℃)を行うことはほとんどない。しかし、通常の素焼きの温度である800°C程度では柔らかすぎると感じるため、1050℃程で焼くことが多い。これは素焼きと本焼きの中間の温度域で、焼き上がりの硬さが私の気分に合っている。また、通常の素焼きでは焼成による収縮はないが、1050℃では少し焼き締まるので収縮があり、作品に効果的な変化をもたらす。


しばらくは、パーツを組み立てたりカービングで造形を加えることになるが、彩色のイメージも高めていきたい。どのような彩色にするかは台座の素材や色、サイズにも関係するので、最終的な作品の見せ方を、そろそろ決めていく必要がある。










Reference Site



Related Entry








Comments


bottom of page