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現在の制作状況 ⑤/焼成前の制作と窯入れ


手を加えるほど作品が良くなるのは間違いだと気がついたのは、美術の勉強を本格的に始めた頃だった。当時、受験の為にデッサンをしていたが、描きすぎてダメになることが多々あった。現在もそれと同じことを経験している。どこまで手を加えて良いのかを、ある程度想像できても、そこでやめる気持ちになれないことが多い。


私が求める細部の密度は作品によって異なる。細かい表情を説明し過ぎると伝わる内容が限定的になりやすい。そのような作品を作った後には、もっと見る人に寄り添いたいと感じる。この作品では、観覧者や状況、時間によって変化する表現を試みている。しかし、それは不確かなもので良いわけではない。根源的なところは提案しつつ、その答えは規定しないことが大切だ。また、本筋とは異なる要素を取り入れることも必要だと感じている。


今回の作品は乾燥後もしばらく手を加えていたが、これ以上は焼成後に進めた方が良いと感じた。もう少し作りたい気持ちはあるが、大切なのは人の姿形の説明ではなく”存在の有様”である。そのためには、分からない所はそのままにしておく勇気も必要だと思う。自分のことさえも定かでないのに、作品の全てをコントロールすることは不可能である。


ついに、窯入れを行うことにした。作品の量が多いので、2回に分けて焼成する予定だ。大きなパーツは壊れる可能性があるので慎重に進めたい。











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