私の自宅アトリエの壁に一枚のデッサンが掛かっている。
それは私が6歳の時に描いたサザエのデッサンで、現存している作品の中では1番古いものである。それを描いた時の状況は覚えていないが、 両親に貰った額縁に入れたことは記憶している。様々な絵の中で、これがもっともバランスよく額縁に収まったのだ。幼い頃も絵を描いたり立体物を作ることに、多くの時間を費やしたが、それらの殆どは現存していない。しかし、このデッサンは額縁に入れてあったので残っている。
デッサンをよく見ると、一度描いた線を消しては描き直すなどの格闘した跡が残っている。おそらくこの頃から自分の作るものに直ぐ満足できなかったのだろう。上手くはないが、幼いなりに対象に近づけようと努力している。この頃と現在のデッサンで試みている内容は、そう大きくは違わないと感じる。人の本質は何歳になっても変わらないというが、6歳の時にサザエのデッサンを描いた理由が今でも分かる気がする。
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